岡ちゃんがオーナー FC今治がJ3昇格!/2010W杯ベスト16日本代表監督
ホームのありがとうサービス.夢スタジアムのピッチになだれ込んでくる、ベンチに入れなかった選手たちの弾ける笑顔が、FC今治の悲願が成就したことを告げていた。
2年続けて挑んでははね返されてきた、JFLからJ3へと昇格する壁を乗り越えた喜びが、3381人が詰めかけたスタンドへと伝わっていく。追い求めてきた瞬間が訪れても、FC今治のオーナーを務める元日本代表監督の岡田武史氏はピッチとは対照的な表情を浮かべていた。
「僕自身はそれほど喜んでいなかったので、何だと思って見ていた方も周りにはいたんじゃないかと。ホッとした、というのが正直なところですが、こんなところで喜んでいる場合じゃないので。想定よりも1年遅れているし、これは単なる通過点であり、決して終着点ではないので」
10日に行われたJFL第27節。すでにJリーグからJ3ライセンスを交付されている今治がFCマルヤス岡崎を破り、5位のホンダロックSC、6位のヴィアティン三重がともに引き分け以下に終わった場合にのみ、成績面におけるJ3への昇格条件となる、4位以内に入ることが確定する。
果たして、今治は今シーズンに東京ヴェルディから加入した40歳の大ベテラン、元日本代表MF橋本英郎が前半27分に決めた移籍後初ゴールを一丸となって死守。前回対戦で敗れた岡崎を1-0で退けた直後に、ホンダロックと三重がそろって引き分けた吉報が飛び込んできた。
3試合を残しての悲願成就。選手たちは用意されていたJ3昇格記念Tシャツを重ね着し、ファンやサポーターたちは涙を流しながら喜びを分かち合うなかで、終盤戦で失速した昨シーズン、そして9月中旬以降に4戦連続で勝ち星から遠ざかった今シーズンを岡田氏は振り返っていた。
「周囲が今治に対しては100%以上の力で来ることはわかっていたなかで、それでもちょっと苦しみすぎたかな、と。もうちょっとスムーズにいけるかな、と想定していたんですけど、結果的にはホームで決めて、今治の方やサポーターの方に喜んでもらえたのは一番よかったと思っています」
特に残り2試合を1分け1敗と勝ち切れず、5位に終わった昨シーズンは岡田氏にも少なからずショックを与えた。監督にフランスワールドカップでコーチとして自身を支えた小野剛氏、橋本やDF駒野友一らのベテラン勢を加えた今シーズンを「ある意味で節目ととらえていた」と胸中を明かす。
「今年はどうしても上がらないと、昨年は許していただいた、支援していただいている方々がもう許してもらえないと思っていたので」
1976年に大西サッカークラブとして創設された歴史をもつ今治を運営する、株式会社今治.夢スポーツの株式の51%を岡田氏が取得。代表取締役に就任したのは2014年11月だった。日本サッカー界に対して長く抱いてきた疑問に対する答えを求めて指導者から経営者へと立ち位置を変えた。
「サッカーの型を作って、16歳までに教え込もうと思って始めた。まず型を教えてから、16歳、高校生ぐらいからチーム戦術を落とし込んでいく。そういうトライがしたかった。そうすれば主体的で、自分で判断できる選手を育成できるんじゃないか、と」
既存のJクラブではなく小さなクラブならば挑戦できるのでは、と考えていたところへ、大学時代の先輩がオーナーを務めていた今治からオファーが届いた。転身を決断したときは「サッカーのことしか考えていなかった」と明かす岡田氏を、初めて見た今治の町の様子が変えた。
「実際に今治に行ったら、土地はあっても商店街に誰もいないというか。このままならチームが強くなっても、応援してくれる人がいないというか。少子高齢化の限界都市のようになっていたので、そこを何とか街と一緒に元気になる方法がないだろうか、と思って地域や地方の創生もやろう、と」
今治の地で起業を決意したときに、プライベートで親交のあったライフネット生命保険株式会社の創業者、出口治明氏からかけられた言葉に深い感銘を受け、心のなかで目標を定めた。
「出口さんには『統計上、スタートアップした9割が5年以内に潰れる。岡田さんは1割に残るためのチャレンジを始めた』と言われたんですね。同時に『リスクあるチャレンジを誰もしなくなったら、社会は変わらない』とも言われて、僕は5年をひとつの目標にすえてやってきました」
今シーズンが5年目にあたる。前述したように「今年はどうしても――」と位置づけたのは、経営者としての覚悟の表れでもあった。トライ&エラーを含めたすべての積み重ねがいま現在に生きてくる、と考えたときに昨シーズンに味わわされた苦い経験もポジティブにとらえることができた。
「あのままJ3へ上がっていたら『また岡田が何とかするだろう』となっていたはずが、上がれなかったおかげで、今治の人たちが自分のこととして『来年は上がるぞ』となった」
運営会社の代表番号に「スポンサーをやらせてください」と、電話が入るようになった。なかには「スポンサー料を増額するからもっといい選手を取れ」とか、あるいは「1000万円を寄付する」という声もあった。いままでにない状況に、岡田氏は「今治が動き出した」と感じずにはいられなかった。
「今治が動き出すために必要な時間だった、と。5年かかりましたけど、我々にとってすべて必要なことが起こり、我々に貴重な力をつけさせてくれたと思っています」
日本代表監督を含めて、トップカテゴリーのチームの監督を務めるために必要な公認S級コーチライセンスを更新せず、昨年3月末に日本サッカー協会へ退会を申し出ている。指導者へはもう戻らない、という決意の表れであり、身も心も経営者となったいま現在の心構えをこう語る。
「プロの監督は背中に乗っている、重い鉛の塊のようなプレッシャーに『この野郎』と思って耐えていればいいし、嫌になったら『もうやめた』と言える。でも、経営者は違う。僕のもとへ集まってくれた60人近い社員へ給料を払い続けるために、毎月5000万円以上のキャッシュフローが必要になる。
社員やその家族を食わせなきゃいけないという、真綿でじわじわと首を絞められるようなプレッシャーは監督のときとはまったく違う。もうやめた、なんて絶対に言えない。自分にとっては新たなチャレンジをさせていただいてきたなかで、成長させてもらったと感謝しています」
言葉の端々から、63歳にして充実した日々を送っている様子が伝わってくる。そして岡田氏が言うように、J3昇格はクラブの、そして今治という地域にとって通過点となる。たとえば収容人員約5000人の夢スタの現状では、どんなにいい成績を残してもJ2へは昇格できない。
「夢を見せるというよりは、僕自身がホラに近いような自分の夢を語っていただけなんですけど。それでもこのスタジアムができて、次は1万人のスタジアムがおそらくできます。みなさんが夢に共感して力を貸してくれて、指導者やスタッフ、選手たちも集まってきてくれた。僕がどんどん新しいことをやるので、社員もその尻拭いで飛び回って大変だったと思う。わがままのような夢でいろいろな人を振り回してきたけど、僕自身はもっと、もっと壮大な夢を語っているんですよね」
2025年までにJ1で常時優勝を争い、5人以上の日本代表選手を輩出する中長期ビジョンもクラブは描く。絵空事に映るかもしれないが、走り出さないことには何も始まらない。もともとの目標だった、岡田メソッドと命名されたサッカーの型を浸透させ、運営会社として30億円規模の収入も目指す。追い求める夢が大きい分だけ、経営者となった岡田氏の表情には充実感がみなぎっていく。
参照元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191111-00010000-wordleafs-socc
ネットの声
大きな理想を掲げるだけでなく、具体的に推し進めていく力を感じる。
青臭い発言だけでなく、清濁を併せのむことができる。
また、見聞きする限りでは人望もあるように感じる。杓子定規なことばかりでなく熱いハートを持っているが故のことなんでしょう。
このような人が日本サッカー界にいることを幸せに思う。
岡田さんだけが遠い所を見ていると、普通の人はすぐに結果が欲しいでしょうから意見の対立も多いでしょうけど、そんな中理解を得ながら先を見据えて進めているのでしょうね。
J3昇格という結果も出していますしね。
日本サッカー界のチーム経営が変わるであろう岡田メソッドの確立を期待しています。
経営者として尊敬します。
勿論、様々な問題があるにせよ
頑張ればトップリーグに参戦出来るシステムや地域密着型のチーム作り、ユース等の育成システムはNPBに無い考え方
どちらが良いとは言わないが、色々参考になる部分は有る
特に育成分野では、少子化や働き方改革で学校の部活が減少するのは確実で、野球もリトル・シニアリーグやボーイズリーグ等、中学迄は学校外の組織は存在するが、高校以降で学校以外の育成組織は皆無
ユース組織と高野連の融合は今後の課題と思う
金がないと選手雇えないし、遠征費もかかるし、施設でも・・・
しかもスポンサーがつくかと言ったら岡田さんだから今治はまだ良いかもしれませんが他は厳しいのが現状だと思います。
J2でもエレベータークラブを良く目にしますが、資金面での壁が大きいと思います。
今年も柏はどうにかなりそうですが、横浜Fは厳しいかもしれませんね。
湘南なんてもうって感じです。
金が全てではないですが、それも絶対的に必要だ!
という事も考えさせられる記事ですね。
経営者って、毎月支払いの連続で、結果を出さないと切羽詰まってしまうから
次のステップの時には歓喜の涙が出るのかな?
J3昇格おめでとうございます
今の競馬に例えれば地方競馬で売り上げが上がって継続って感じですが、どんどん何においても達成すればと思うんですがね。
ここで大きな成功を収められば、サッカー界に留まらず日本全体にとって大きなインパクトになると思う。
チーム内の予算の内訳が見たくなってきた。
7億って聞いた事あったけど、今年は6億に抑えているのかな。
はっきり言って予算はJ3上位クラスあったし、
プレッシャーはあっただろうね。
来年度の予算規模をどうするのか注目したい。
そろそろ本気で考えないとまずいと思う。
この記事を読んだ他県の方は、愛媛のサッカー熱はすごい、地域創生のモデルだ、なんて考えるかもしれないが、まったく盛り上がってないですからね。市内の商店街もシャッター街のままだし、スタジアム近くのショッピングモールも大盛況ってこともない。
そして肝心のサッカーも、岡ちゃん?って感じだよ。地域密着で地元の選手ばかりってわけでもないしね。勝つためにはしょうがないんだろうけどさ。まあ、岡田メソッドで育成された子どもたちが、10年後にチームの主力になってるのかもしれないが、少年たちの目も地元に向いてない。
サッカー熱がすごいってわけじゃないのはJ2の愛媛FCも同じやけど。
今治の事を応援したいと思います。
現状のJリーグは外資系が参入しづらいのが現状だし、その中で、プロスポーツにお金を出せる余裕のある数少ない国内企業のスポンサーの取り合いになっているから、どうしても格差は出るし体力のないクラブは強化どころか、現状維持さえ難しくなってしまう。
経営者としての苦労ー、
そんな苦労を積み重ねた人が地域の活性化と日本サッカーの将来を見据えている。
あらためて凄いことです。
まずはおめでとうございます!
岡田さんはここではなくもっとずっと先を見てるようですが。
組織は現状維持を求めるのに対しチャレンジ精神がある優れた人材は流出していく
降格システムっていい面があるかもしれないけど、
悪だと思ってる。
上位チームは強くなり続ける。
下位チームは優勝する希望がほとんどない。
降格したチームって悲惨だよね。
いいことが何一つない。
スポンサーの事、いい選手が離れる、財政の面。
チームもサポーターも地獄に突き落とされる。
スポーツにここまでする必要あるの?
勝ちたい優勝したいから必死ではなくて、
降格したくないから必死。
スポーツとしてこのモチベーションってどうなの?
健全な気がしないんだよね。
JリーグとかBリーグの昇格降格って当たり前に見てたけど、
疑問に持ち始めた。
雇われ身の上の方より凄そう
この先上を狙うなら、この陣容が必要なんだろうな。
ハコだけあっても全然埋まらないような。
もう少し緩和してもいいんじゃないかな。
男性は年取ってさらに出てくるよね、たたずまいに、その生き方が。
63歳が頑張ってるなら、自分も頑張らないと!!
今治はいいところだよ。
一時期住んだが、気候もいい。
1試合2000円で、観客12500人必要
Jクラブの平均観客数は、総人口の200分の1程度が多いので、愛媛県の人口だと6500人を愛媛FCと分け合う形になるのかも
平均観客数
J1、19064
J2、7049
J3、2378
岡田さんは、どんな戦略を描いているんだろう。
って発想が終わってる。
監督としての能力が高いのかしらんが
経営者としては終わってる。
このチャレンジ精神と考え方の深さに敬服する。
相撲でいえば、幕下から十両にあがって晴れて関取になったみたいな。
それも実力といえば実力だけど
Jリーグに昇格でスポンサーが名乗り出るって所もゲームそのまま
日本代表監督2回もやれる人は違うわ
はっきり言って加計学園が今治や愛媛潰す可能性だってある
間違いなく今治の財政は既に潰してるし
これが続けば今治FCところじゃなくなるんだよね
サッカーじゃないところで潰されんようにしてほしいけど、銚子市みたいに加計学園はやらかすと思うわ
管理人の率直な感想
凄い覚悟を持って頑張ってきたんですね。
簡単なことではないですが、次はJ2目指して頑張って下さい。
ライセンスが失効して、指導者としての岡ちゃんが見れないのは残念ですが。
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